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切符収集記&登山行記

切符収集記&登山行記

アンパンマンの故郷へ

アンパンマンの故郷へ

旅行期間:平成20年2月23日~24日
訪問標的:JR四国のキハ58・65、アンパンマンミュージアム

【プロローグ】

 うちの長男を連れてあちこちと出かけてはいますが、私と2人だけで泊りがけで出かけたことはなかったのでした。彼もそれなりに自分のことができるようになってきたし、多少は車中でも我慢できるだろうということで彼が好きなアンパンマンをテーマに、高知へ行く計画を立てたのでした。ただ、彼には悪いのですが、鉄の要素無しに高知まで行くのは残念なので、要所要所でキハ58・65を使用した普通列車利用を盛り込んだ行程にしました。これで、ただでさえ遠い高知がよけいに遠くなったのでした。

【1日目】自宅~新大阪~岡山~高知

 旅立ちの朝です。子どもが朝起きてくれるかが第一関門でしたが、遊びに行くときにはすんなり起きてくれてなんなくクリアーでした。
 最近よく利用する貴生川駅前の駐車場に車をとめ、草津線、東海道線と乗り継ぎ新大阪から新幹線を利用します。これはただ単に新幹線代を安くするためで、深い意味はありません。私は久しぶりの新幹線にワクワクしていますが、子はすでに飽き気味です。
 ごねる子を弁当でごまかし、なんとか岡山に到着。ここからはマリンライナーでいざ四国へ。子連れの旅は周りに気を遣うので、空いているであろうグリーン車を利用しました。天気が良いおかげで、窓下に広がる海が素敵です。子は海の上を渡っているのがこわいらしく、「大丈夫なの?」としきりに聞いてきます。
 子の気もまぎれたところで坂出到着。ここから子には悪いのですがキハの旅を味わうため、普通・阿波池田ゆきに乗り換えです。この列車、しばらくは乗客も多かったのですが琴平でガラ空きになり、シートの上で遊びまくる子には好都合でした。親も、子が機嫌よくしてくれている上に、周りに迷惑をかけずに済むので一安心です。


JR四国1~マリンライナー
坂出まで利用した快速マリンライナー

JR四国2~キハ65
坂出から阿波池田までは普通列車にゆられて

 列車は山里を進んでいきます。讃岐財田では交換&特急通過待ちで、格好の写真撮影タイムとなります。私は予想だにしていなかったのですが、同好の士が複数みえており、次の坪尻駅でもファンのお迎えを受けるのでした。こんなに注目度が高いとは。
 箸蔵の駅あたりで眼下に池田の町が見えてきます。私は知らなかったのですが、線路はU字型にぐるっと山すそを雄大に降りていき阿波池田到着。ここでも多数のファンの姿が見られ、折り返し高松行きとなる列車の組成作業にカメラが向けられるのでした。
JR四国3~キハ58

 他の皆さんのように駅で気動車を眺めながらたたずみたいところですが、私たちは先を急ぎます。ここからようやく特急の登場となり、南風13号で高知へ向かいます。途中は谷の深いところを走り景色がよろしいのですが、親子ともに疲れてきてダウン。そろって居眠りしてました。16時12分、土佐山田着。子の受難は続き、ここから高知まで普通列車に乗り換えです。この駅でも撮影タイムを見てあり、対向の阿波池田ゆきは国鉄型車両を連ねた編成でした。私たちが利用する高知ゆきは、なんということでしょう。調査不足で、ステンレスの気動車なのでした。残念。

JR四国4~キハ58
対向の阿波池田ゆき

JR四国5~アンパンマン列車
先に発車して行く岡山ゆき特急。今回は時間が合わず、アンパンマン列車に
子を乗せてあげることができませんでした。

 結局、高知には17時前に到着。岡山から4時間かかりました。全区間特急利用なら2時間半ほどで着くのに。子よ許せ。
 高知駅ではパン屋でアンパンマンの顔を模したパンを購入。他のキャラクターのものもあるはずなのですが、おむすびマンしか見当たりませんでした。このとき買ったパンは「明日の朝に食べる用やで」と何度も言い聞かせたのですが、やつは、このパンを食べることで頭がいっぱいだったようで、夕食は少し食べてごちそうさま。ホテルへ入ると、「パン食べたい」の一言。腹ぺこでギャーギャー言われるのもかなわないので、結局、親は子の言いなりになってしまうのでした。
 今宵の宿は、1泊5千円と少々なりのビジネスホテル。ダブルベットを子と共に利用したのですが、お互いの体温のせいか非常に暑く感じられた上にベッドが硬く、 おまけに母ちゃんが恋しくなったのか子が「寂しい」と泣き出し、かといって叱りつけるわけにもいかず、お互い寝付くのに苦労したのでした。

【2日目】高知~旭~土佐山田~アンパンマンミュージアム~土佐山田
    ~岡山~京都~自宅

 今日は、本来の目的だったアンパンマンミュージアム訪問、その後帰宅、というプランです。が、朝7時45分に高知を発つ伊野ゆきがキハ58を使用していそうだと下調べをしておいた親のおかげで、子も早起きにつきあわされます。本当はホテルの朝食を食べたかったのですが、国立大学の二次試験とプロ野球の春季リーグが近くであるのと重なり、予定した時間に食べられるかわからないとホテルの人に言われたので、部屋でそそくさとパンをかじり一夜の宿をあとにします。泣いたりはしましたが、外で一泊したというのは子にとって自信になったようで、この後数日間は「ホテルに泊まってん」と自慢げに言っていたのでした。
 伊野ゆきの列車は予定どおり国鉄型車両を含んだ編成で、勇躍、旭へ。エンジン音も高らかにのっそり動き出す瞬間がなんとも言えません。
JR四国6~キハ
朝の伊野ゆき列車。土佐山田が最初の目的地なのですが、 これに乗るがため一度、旭へ向かいます。
ちなみに左に見えるのが開業を数日後に控えた高架ホームです。

 さて、旭駅の構内にもパン屋があり、ここではキャラクターもののパンがほとんどありました。が、子はあまりのってきません。アンパンマンが好きなくせに、「おにぎりが食べたい」とのこと。あわててコンビニを探すもすぐ近くにはなく、国道へ出て少し行ったところにようやくあったのでした。
 あわてて駅へ戻ると、高知へ戻るのに利用する列車は残念ながらステンレスの気動車でした。私の得た情報では国鉄型のはずだったのですが、運用を減らされているのかもしれません。
 高知で列車を乗り継ぎ、土佐山田からはバスでアンパンマンミュージアムへ向かいます。

JR四国7~アンパンマンバス
土佐山田駅からアンパンマンミュージアムまで利用したバス。


 遠いめをして来たミュージアムですが、子はささっと館内をまわると、「おみやげもの屋さんに行きたい」と。結局、やつの頭の中には、おもちゃしか無かったのでした。子は適当にしか見てませんでしたが、絵を展示してある横にやなせ氏のコメントが貼られたりしてあり、それを読んでいると興味深く大人でも楽しめました。また、ビデオでおしまいによく流れるアンパンマンの体操の実演があり、どういう動作なのかよくわかるようになりました。家でもできそう。
 外へ出ると雪がちらつき非常に寒いです。子はミュージアム横の公園に設置してあるすべり台に夢中で、私が見たとこ今回の旅でやつがいちばん気に入ったのは、この遊具でした。高知まで来たのに・・・。ま、子が喜んでいたので、よしとしましょう。それにしても、寒い。あまりにも寒いので昼食をとり遊びを中断させたものの、帰りのバスが来るまでの1時間ほど、しっかり外で遊んだのでした。
 さあ、もうあとは帰るだけです。帰路は子がよく寝てくれたおかげで、ラクに帰れたのですが、最後に落とし穴が待っていました。京都から在来線に乗り換えたのですが、大津あたりで駅の植え込みになにやら白いものが。雪?
 京都近辺だけだろうとたかをくくっていたのですが、草津線に入ってからも外には暗闇の中にしろーいものが見えます。
 貴生川で降りると、まず車のワイパーを雪から掘り出さねばなりませんでした。このときは、ワイパーのところに熱線が入っていてよかったとスバルに感謝しました。積もっているわけではないのですが、駐車場の中にところどころ雪があり、また路面が凍りかかっているようでもあり、ノーマルタイヤの我が車は運転も非常に慎重になってきます。
 何とか駐車場を出発したのですが、雪が降り始め、その上、路上の雪が風に舞い前がよく見えません。制限速度50の道ですが、こわくてそんなスピードは出せません。だんだん、道が白くなってきて、それに伴い親の不安が高まってきたことが子にも知れてきたらしく、「おうちに帰れるの?」と子はしくしく泣き出します。
 いつもなら旧の阿山町へ抜けるのですが、さあどうしたものか。草津線沿いに旧の伊賀町方面へ抜けたほうがよいのだろうか。迷いましたが、阿山へ抜けるべく高架の橋を渡りかけました。が、今までの道と違い、雪がしっかり積もっているではないですか!通行量が少ないせいでしょう。轍もありません。これでは先が思いやられます。この道はあきらめて、ここよりは通行量も多いであろう草津線沿いの道をとることにします。白い雪が路上を激しく舞い、ロードスターが路肩に落ちているのを見て、私らは無事帰れるんだろうか、とおそるおそる進んでいると、あれ不思議。伊賀町エリアでは雪が消えました。少し路肩に雪が残ってはいましたが、それも家に近づくにつれ消えてゆきました。家に着いて嫁の顔を見ると、子は耐えていた何かがあふれ出してきたのか、ワーっと泣き出したのでした。我ながら、おつかれさまでした。

                                 《おしまい》



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